今回のお悩みはこちら
感覚で歌ってるから、どうやったら上手くなるのかわからない
この記事は歌のプロフェッショナルではないけれど、数々の音楽に触れ携わってきたMIX師による、一つの答えを記述したものです。
歌のテクニカルなこともわかる範囲でお話しますが、考え方やマインドセットの部分での解決がメインとなっておりますので「そういう考え方もあるのか〜」くらいの参考にしてもらえると幸いです。
さて。
今回のお悩み。
まず前半部分からいきましょう。「感覚で歌ってる」
感覚で歌うことっていうのは、普通のことだし、別に何も悪いことではないですよね。
むしろ、感覚で歌えるっていうのも才能のひとつだったりします。
歌えない人からすればそれって、すげぇ!なので。
いっちゃえば「感覚で歌ってるって、すげぇこと」です。
そもそも、音感というのは3歳くらいまでに形成されるもの。
歌を聞いてパッと同じような音階で歌えるというのは、小さい頃にそういうことを親御さんが一緒にやってくれてたから、と言っても過言ではないです。
もちろん、その後にめっちゃ練習すればできないことではないのですが、早い段階の方が感覚として身につきやすいって話。
どちらにせよ、自分の人生を誇ってください。
そして、歌い手という道を選んだ人のほとんどが「もともと感覚で歌える人」だと思います。
この方のお悩みは、感覚だけでいいの?自分、上手く歌えてますか?上手くないならもっと上手くなりたい!
だと読み解きました。
じゃ、後半部分の「どうやったら上手くなるのかわからない」
というところは
もっと感覚を研ぎ澄ませ!
です。
歌が上手な人というのは、細かすぎて誰も気づかないところまでこだわって表現しています。
歌の上手な人の歌がこだわっているところとは
①ピッチやタイミングが合ってる、心地いい
人間が心地いいと感じたり、かっこいいと感じたり、素晴らしい表現だ!と感じたりするのには、声の周波数や、そこに乗ってる感情を読み取るためです。
リズムもしかり。
まず歌のレッスンにいって、歌の初心者がやらされることは
自分の中の鍵盤と、世の中にある規定の鍵盤を一致させるところから始まります。
ピアノでドレミ〜と弾いた音を、自分の声で同じように出す
リズムを感じて、お手本通りに手拍子を打つ
こうやって、世の中にある既定のリズムや鍵盤の音と、自分が発するものを一致させます。
なんでかというと、その規定のリズムや鍵盤の音の組み合わせで音楽ができているから。
まずはそのルールというか、ものさしというか、そういったものを体に叩き込む必要があるんですね。
サッカーのルールを知らずにサッカーはできない、的な。
ルールを知らないとボール蹴るのはできても、サッカーの試合には出られないじゃないですか?
ルールというと守らなきゃ的なニュアンスになっちゃうので、深い話をするとそうじゃないケースも多々あるんですけど。人間が心地いい!とかかっこいい!とか思うリズムや音っていうのはだいたい決まってるってことです。
聴く側は感覚で聴いていて
歌う側はその感覚の素を知っていて、そこに訴えかける=うまい
となるわけです。
②声の伸ばし方や、声を発する時、息継ぎの入れ方、なども曲のリズムに沿ってる
よく聞くテクニックは、
・ビブラート
・こぶし
・しゃくり
なんかだと思います。カラオケの採点にも出てきますね。
でも、ただ伸ばしてる時にビブラートすればうまいと言われるのか?
そうじゃないんです。カラオケの採点では得点になりますけど。
意味のあるビブラートが人の心に突き刺さる
わけです。
どの伸ばしもビブラートしてたら、ただただテクニックひけらかし系の嫌な奴になっちゃいます。
ビブラートを連続で使用していいのは黒夢の清春さんだけです。
というと清春さんに怒られちゃう気もしますがw
この曲のサビ(サビ?)
マァインブレィカァ〜〜〜〜〜〜〜
(↑ビブラート)
ここ、意味があるんですよ。僕の見解では。
マインドブレイカーですよ?マインドを、ブレイクするんですよ。
壊れる様子を表現する!!→壊れる時ってどんな感じ?→???
壊れるにもいろんな壊れ方がありますよね。
いきなり爆発するような壊れ方?
それとも予兆があってブルブルしてからバーン!ってなる?
しゅぅぅぅんってゆっくりと途絶えていくような壊れ方?
清春さん的には、2つ目をイメージしたんじゃないかなと思います。
だから、語尾の伸ばしはビブラートにした。
1つ目を表現するなら、「カァ」の発音kを思い切り強くして、あまり伸ばさずにバン!!っていうイメージで発声するだろうし、
3つ目を表現するなら、伸ばしながら落ちていく、フォールのような表現にするでしょう。
(あくまで僕の解釈なので間違ってるかもしれませんが)
ここまでは理解できると思います。
このイメージしたものをどんなふうに声で表現しよっかな〜を、ほぼ全ての歌詞でおこなうわけです。歌詞にもストーリーがありますので(ないものもあるけど)、そのストーリーの中で、「この主人公はこう考えたのか」「こういうふうに壊れた方がそれっぽいな」といった演出を構想していきます。
自分なりの解釈でいいと思います。
その歌、ストーリーに込められた感情を読み取って自分の表現にするために、テクニックを使う、が正解だと思います。
演歌ではこぶしがよく使われるかと思いますが、演歌は「情念」「別れ」「報われない想い」「恨み」「愛憎」がテーマのものが多いですよね。
人間は思いの丈を叫ぶ時、よく声がひっくり返ります。
これをテクニックにしたのが「こぶし」です。
演歌歌手の歌でもこぶしを濫用してる時ってのは、「つらいつらいつらいしんどいつらい」と叫びたくなってる歌詞の時がほとんどです。
テクニックは、適切な場所で使うことで、その部分が耳に残って離れなくなる=うまい
になります。
③表現のレパートリーが多い
歌のテクニックは上にあげたものの他にもたくさんあります。
というか、それ以外を使っちゃダメ、ということもありません。
最近はAdoさんというとんでもない歌手が出てきたために、感情の起伏が激しい歌い方が認められてきています。
Adoさん的にも感覚でやってるところは多いと思いますし、ほとんどの歌い手は歌詞を重視してるだけで、「そんなの歌詞を読んだら自然とこうなっちゃった」としか言いません。
まさに感覚
表現のレパートリーと書きましたが、自分が受け止めたその歌詞から読み取れる感情を、自分なりに声で表現する、という能力が長けてるんだと思います。
こればかりは意識と工夫と場数が必要になります。
人生経験も必要になります。
ただ傷ついた、という事実があったとしても、なぜ傷ついたのか、傷つくまでの過程はどうだったのか、誰に何を言われたのか、言われてないけどあの態度で傷つきました、じゃあそれってどんなふうに胸が痛かったの?どんな感情がそこにあったの?この人がああしたから?そんな人だと思わなかった、そんな人だと思った、どっち?
みたいな、感情の掘り下げを自然とできるようになるには、実際に同じような経験があるのが一番わかりやすいですよね。それを体現できているのがうまい歌い手だったりします。
起こる事象に対して、どう思うか、どういう感情が生まれるかは人それぞれですし、その感情をどう表現するかも人それぞれです。
それが伝わるかどうか、分かってもらえるかどうか、なだけです。
そしてまた、聴き手がそれを受けとって「わかる!!」「あたいもそんなことあった・・・」「やばい、あんときの俺だ」と感動したり共感したりする=うまい
となる訳です。
ここまで説明した上で。
「どうやったらうまくなるの?」
の答えとしては
①自分の歌音階やリズムが音楽のルールと合ってるか確認しよう
②声の伸ばす量、伸ばし方、発する瞬間などのめちゃくちゃ細かい部分に着目しよう
③いろんな感情を経験しよう
①と②はボイトレに通うとすぐに身につくものなので、
自分、どうなんだ?!って思うのなら、スクールなどに一度行ってみるのもいいでしょう。
怖いでしょうけどね。自分の実力を知るって、めちゃくちゃ怖いんですけど。
まずは自分の実力をしっかり直視して、一回打ちのめされるかもしれない恐怖と向き合わないと、成長ってのはできない仕組みなんですよね。
そしてそれもまた、あなたの感情経験になります。
いいことしかないじゃないか!!w
ナイスなお悩み相談、ありがとうございました!!!
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